2016年5月26日木曜日

ただひたすらに50ドルに目を奪われているマーケット

いいタイミングで原油在庫が減少となったことを受けて50ドルを付けに行きたい流れに拍車がかかり、49.7ドルレベルまで上昇。引っ張られたダウ平均は4月半ばからのレジスタンスラインを上抜けて上げ幅を拡大する展開となりました。
とは言ってもダウの予想PERは16.6倍と4月半ばの18,000ドルヒット時の17.2倍に近づく買われ過ぎの状態になっていることに加え、その原動力となっているシェブロン株の予想PERは今年初めの20倍から37倍にまで膨れ上がっており、いかに原油が上昇基調と言っても修正が入らないわけにはいかない状況。原油自体は50ドルを一旦付けたとしてもその後目指すべき手頃な目標は無く、おそらくその後のダウの頭打ちやそもそも軟調地合いが続いている非鉄金属市場を横目に見て修正売りが入る可能性が高いです。
米シェール企業をはじめとした資源関連企業の破綻は着実に積み上がっており、それに伴う雇用減少に起因する経済指標の悪化がいつ出てくるか、要注目の状況です。

2016年5月24日火曜日

シェブロンの株価がダウ平均と原油価格の鍵

株や非鉄の軟調地合いを尻目にひとり強気相場を続けていた原油もようやく足並みを揃えてきた印象。これまでのあまりに異常な強気は何らかの意図や勢力のようなものが感じられるような状況でした。
ダウ構成銘柄で見るとシェブロンが4月以降の原油上昇局面でPERの上昇を伴ってダウの18,000達成に寄与。PER上昇ということは収益の改善見通し以上に期待先行で株が買われたということ。結果としてダウのPER自体が17と買われ過ぎの水準までほぼシェブロン要因のみで上昇してしまったことがポイントで、ただでさえアップル減速等でダウは軟調なのに、このタイミングで原油まで反落してしまうと、シェブロンの収益悪化見通しによるPER上昇→割高感からシェブロン下落→ダウ平均自体の割高感も伴ってダウ大幅下落ということになりかねません。そういったシナリオをおそれたプレーヤーが原油を買い支えていた可能性もあるかと思います。
何にせよ原油もそろって軟調地合いとなった足元の環境下、チャート的には現在節目の100ドルを割り込みつつあるシェブロンの株価が98.5ドルにある50日移動平均を割り込むタイミングが鍵。そのタイミングでダウ、原油ともに下げが加速すると考えます。

2016年5月17日火曜日

ゴールドマンレポートが原油をマーケットの主役の座に近づける

相変わらずダウはレジスタンスラインに上値を抑えられ、非鉄金属もダウントレンド継続の中で、原油はひとり気を吐く状況。先週から行き過ぎ感はありましたが、ゴールドマンの需給引き締まり見通しにさらに力を得て、47ドル台半ばまで行ってしまいました。他市場対比の買われ過ぎ感から修正が入るのがメインシナリオですが、このままの勢いで48ドル台まで行ってしまうと目前に見えてくる節目の50ドルを自律的に付けに行ってしまう可能性があり、そうなると原油がマーケットの主役として明確に意識され、株を引き上げる材料になる可能性があります。

2016年5月13日金曜日

数々の下げ材料を無視して突っ走った上昇

水曜日の在庫統計で原油及び石油製品が軒並み減少となったことから突っ走ってしまった感じのマーケット。原油にしろガソリンにしろ在庫の絶対水準が例年比で圧倒的に高いことには目をつぶり、ダウがレジスタンスラインに上値を抑えられて50日移動平均下抜けをトライしてることにも目をつぶり、さらには非鉄金属が軒並み下落基調になっていることにも目をつぶって水準を切り上げて行きました。
普段必ずしも材料とならないIEAの需給引き締まり見通しも上昇材料として取り沙汰されていることがむしろ買いポジションを持つことの不安感を高めます。
株急落のおそれが引き続きある中、ショート保有もしくは売り回転のほうが安心な気がします。

2016年5月11日水曜日

年初の株暴落再現の可能性を警戒

原油が前日に43ドル台半ばまで意外に大きく下落してためを作り、今日はそれを取り返しに行く展開。結局原油は昨日と今日の行って来いで若干取り返し切れなかったにも関わらず、ダウは原油高を囃して二日間で200ドル以上の上昇と、若干根拠薄弱な中で買われ過ぎた印象。
一番の注目は4月20日の高値18,167ドルから始まるレジスタンスラインがダウの本日引け時点で明確に形成されたこと。このレジスタンスラインは5月後半に50日移動平均と、三角持ち合いのような形で交わることが見込まれ、まさに今年初めの暴落につながった、昨年12月のチャートと同じパターン。その時の再現となるとすると、一ヶ月弱ダウは50日移動平均ともみ合った後で、15,500ドルまで急落していくことになります。
その場合原油も10ドル程度は下落していく可能性があるため、足元はダウの動きを見つつ様子見。上記展開が見えてきたらショートポジションを狙っていく戦略かと思います。

2016年5月7日土曜日

弱い雇用統計を跳ね返す株高によりセンチメントは再び上方向に

ダウ平均は予想を下回る雇用者増加数に一旦は200日移動平均の17,550ドル付近まで下落するも、天候等特殊要因によって弱い内容となったとの見方もある中で200日移動平均を割り込んで下落するには至らず。むしろカナダ要因から比較的堅調に推移していた原油にも力を得て、上昇して引けました。
ダウ平均は200日移動平均にサポートされる結果となったことから、次は再度18,000を目指していこうかという状況。原油も同じく上を目指す方向感ですが、この株下落局面でカナダ要因によってあまり下がらなかった結果、5月半ばに頂点があるタイトな三角保ち合いの状況が形成されました。素直に上に抜ければ50ドルを目指す展開、下に抜けても2月からのサポートラインがある41ドル付近では支えられて再度買い戻される展開が予想されます。

2016年5月5日木曜日

弱いADP雇用統計と原油在庫増で下落

弱いADP雇用統計によってダウ平均が昨日耐えたサポートラインを割り込み。株からの下げ圧力にも何とか耐えて原油は45ドルに向けて買い戻される展開を続けていましたが、在庫統計の原油増でとどめをさされ、43ドル台半ばまで下がる展開となりました。
昨日想定した二つ目のシナリオとなる中で、ダウは50日移動平均かつ節目の17,500ドルを目指す展開。原油は連れ安が見込まれ、6月限が直近限月となって以降の安値である42.5ドルレベルを目指す展開がメインシナリオ、売りに勢いがついた場合は200日移動平均かつ節目の40ドルを目指す展開がサブシナリオと予想します。

2016年5月4日水曜日

ダウはサポートラインで耐える

懸念された通り、ダウ平均の下落に引きずられて原油は43ドル台にまで急落。ただダウは17,700ドル近辺のサポートラインで踏みとどまった形となっており、明日以降ドル安はやはり米経済にプラスだという側面に焦点があたれば、ダウ反発、それにともなって原油反発となるかと思います。仮にダウがサポートラインを割り込むと17,500ドルまで下落し、それにともなって原油は40ドルまで連れ安となる可能性がありますので、まず足元での反発を狙った買いを入れ、割り込んだら買いポジション積み増しという状況かと思います。

2016年5月3日火曜日

株式市場が気になる

45ドルを割り込み、もみ合い相場へ移行。割り込んだと言っても44ドル台後半までの下落にとどまっており、下落局面での買い意欲の強さが感じられるマーケットとなっています。
注目すべきは株式市場で、アップルの減速を端緒にダウ平均が18,000ドルを割り込んできており、円高に起因する急激なドル安も株のセンチメントの悪さから株買いにはつながりにくい状況。しょうがないので代わりに金が買われて、株下落、原油下落、円上昇、金上昇の四要素でまさに「リスクオフ」が叫ばれる状況が出来上がってしまいました。
一旦リスクオフというテーマが定まってしまうとそのトレンドでリスク資産はしばらく売られるわけですが、少なくとも原油価格はほんとにその状況に入ったのか確信が持てず、強気トレンドが維持されている状態。今後の米経済指標や決算を受けたダウ平均の状況を見極めて動きたい、という感じです。
トレードとしては45ドル割れでの買いスタンス継続ですが、大きな流れの変化があるかもしれないので、小幅下落程度では動かない、もしくは小ポジションにとどめておく、といったところかと思います。